1500度で溶けた鉄、作業員直撃 32人死亡(サーチナ・中国情報局)

  遼寧省鉄嶺市にある「鉄嶺市清河特鋼有限責任公司」の製鉄所で18日午前8時前、高温で溶けた鉄を入れた容器が落下、こぼれた鉄が近くの会議室に流れ込み、作業員32人が死亡し、6人が負傷した。19日付で新京報が伝えた。

  作業員は午前8時に夜勤チームと交代するために会議室で待機していた。鉄は摂氏約1500度だったとみられる。この事案で製鉄所の現場主任など4人が警察に拘束された。

  中国共産党遼寧省委員会の李克強書記が救援の陣頭指揮のため現場に入った。(編集担当・菅原大輔)

身の毛もよだつ大惨事。まさに九死に一生を得た生存者の証言。

「振り返っていたら命はなかった!」生存者証言―遼寧省鉄嶺市(Record China)

2007年4月18日早朝に発生した未曾有の「溶鉄流出事故」は、32名の犠牲者を出すという大惨事となったが、難を逃れた生存者2名の証言を得ることができた。

午前8時は、事故の現場となった清河特殊鋼有限会社工場の作業員交代時間となっており、夜勤を終えて帰宅準備をしていた周(チョウ)さんは、ゴーンという大音響で事故を察知、現場から一目散に逃げ出したと言う。それでも手や足に重度のやけどを負った彼は、「あの時もし一瞬でも振り返っていたら、私も死んでいたはず。」と語った。

もう一人の生存者矯(チャオ)工場長は、溶鉄釜の近くでかがんで工具を拾おうとした瞬間に、溶鉄釜が落ちたと言う。幸い釜の口が矯さんとは反対の方向に向いていたため、難を逃れた。しかし背中と臀部にやけどを負った矯さんは、インタビューに対し、「溶鉄の温度は1500度以上あるんだ。それが降りかかってきた。痛みを感じるまもなくただ前を向いて全速で走った。」と震えながら述べた。

彼らが運び込まれた病院の集中治療室には、他にも生存者がいるもようだが、詳しいことはまだ不明である。(翻訳/編集本郷智子)