北東北メリーゴーラウンド⑥

  • 2007年03月26日(月)

横手をあとにして向かうは秋田。

本来ならここも旅の目玉になる土地だったんです。友人が4月から秋田の某所で働くことになり、もしすでに札幌から越してきているなら会いたいと思っていたのですが、あいにくこの時点ではまだ札幌に。すっかりその気になっていたのに、会えないとなると、さて秋田では何をしよう?
稲庭うどんを喰う」と最初は思っていたのですが、どうも時間が中途半端になるのでやめ。千秋公園を散策するとそれだけで終わってしまう。結局、「ねぶり流し館」と「赤れんが郷土館」に行くことに。


「ねぶり流し館」の正式名称は「秋田市民俗芸能伝承館」。二・三階には秋田のさまざまな芸能に関する展示があり、一階には竿燈が飾られています。
「ねぶり流し」ってのは、七夕の時期に、暑さと疲れ(農繁期ですから)で眠ってしまったスキに病魔が入り込むのを防ぐために行われた行事のことのようです。開拓記念館の学芸員だったり青森出身だったりする懸命なる読者の皆さんは、この「ねぶり」が「オネンブリ」や「ねぶた」「ねぷた」に転訛したことはすでにご存じでしょう。で、この「ねぶり流し」の際に行われていた、子どもが提灯を高く掲げて町を練り歩く習慣が現在の竿燈になったという話です。


ここでは竿燈を持たせてくれます。さっそく私も挑戦。ところが…
並べてあるのは三種類。自分は当然一番小さいもの(幼若。5㎏)からやろうと思っていたところ、係のおっちゃんが勧めるのは中若(15㎏)。「いきなりそれかよ」と思うも、おっちゃん平然。説明を聞きチャレンジ…も、全く上手くいきません。「最初は手のひらをベルトの高さぐらいに構えてバランスを取り、いけそうだったら逆手にして頭の高さまで掲げてみてください」とのことでしたが、とてもいけそうにない。「ダメだ〜」と思わず声を上げあえなく断念。
しまう際に見てみると、小学校高学年ぐらいが上げるものとの説明書き。「スゴイですね〜」と感心する私に、


「最初っから出来るモンではありませんから。小学生っちゅっても訓練して持てるようになるわけですから…。何事もやる前からダメってことは言わずに、前向きにやってみることですよ」


となぜかおっちゃん、諄々と諭すように語るではありませんか。よほど「ダメだ〜」が情けなく聞こえたらしいです(泣
コツは先端の白い紙を見つめてバランスを取ること。皆さんもチャレンジしてみてください。

また、「ねぶり流し館」には「旧金子家住宅」が隣接しています。ここは商家だったところで、中には呉服商を営んでいた頃の店先の様子、土蔵などが保存されています。

そのあとは「赤れんが郷土館」へ。明治末期に建設、旧・秋田銀行本店として使用されていた建物です。二階には郷土の芸術家の作品を展示。どうも頻繁に入れ替わるみたいです。


以上で秋田は終わり。駅でぬれおかきと駅弁を購入して16:36分、秋田を出発。能代へ向かいます。途中、八郎潟付近を通過。ホントに田圃だらけです。
踏切のトラブルで15分ほど遅れて東能代に到着。乗り換えて一駅、本日の宿泊地、能代に到着。市内のビジネスホテルにチェックイン。駅前の居酒屋に飲みに行きたいところでしたが、軍資金と体調を考慮して断念。買っておいた駅弁で夕食を済ませ、夕方のニュースでモンテディオ山形TDKJFL)の情報が流れているのを見ながらしばし休息。ベガルタじゃなくてモンテディオなのな。日本海側だから?
読みかけの新田次郎『アイガー北壁・気象遭難』を読了して就寝。


次回はいよいよ五能線に乗り、弘前を経由して青森へ。