天沢退二郎編『新編宮沢賢治詩集』

新編 宮沢賢治詩集 (新潮文庫)

新編 宮沢賢治詩集 (新潮文庫)

春と修羅』をはじめとした賢治の詩集から抽出された132編の詩を収録。
正直言って、私には詩を解する能力が全くありません。だから、内容云々ではなく、記念館で思ったことも含めてメモっておくにとどめます。


童話もそうですが、宮沢賢治の作品には、彼の地学・農学・教育・宗教に対する深い理解が反映されています。さっきも書いたように、マルチな才能が作品の深い世界の礎になっています。
とりわけ宇宙や地学、電気といったものに触れられた作品は、書かれた時代を考えると、非常に目新しい事のように読者の目には映ったのではないでしょうか。今で言うSFのような。童話であると同時に、SF的世界への飛躍を読者に促すような印象を受けます。
イヤ、だんだんと「童話」という形容そのものがなんかしっくりこない気がしてきました。一体何と呼べばいいんだろう、彼の作品は。


あと、誰もが言うことですが、色彩が豊かですね。特に寒色系。