網野徹哉『インカとスペイン 帝国の交錯』

インカとスペイン 帝国の交錯 (興亡の世界史)

インカとスペイン 帝国の交錯 (興亡の世界史)

インカの歴史を、先スペイン期から19世紀までという長いスパンで描いた一冊。
このへんは全く以て勉強不足なので、いろいろ教えられました。スペインのみならず、インカも「帝国」であるという、考えてみれば当たり前の事実。そこに起因して、スペイン進出から植民地化後も、帝国の中心と周縁にいる人々ではスペインやカトリックの受容の仕方に違いがあること。イスラーム時代から宗教的にハイブリッドであったスペインにおけるキリスト教「純血化」傾向が植民地支配に与えた影響。「インカ」と「スペイン」という二項対立的構図ではとても理解できないこの地域・時代を手際よくまとめてあるなと思います。

このシリーズ、ずいぶんサボっていたけれど、時間があるいまのうちに読み終えてしまおう。