荻野富士夫・吉田裕・岡部牧夫『中国侵略の証言者たち―「認罪」の記録を読む』 (岩波新書)

中国侵略の証言者たち――「認罪」の記録を読む (岩波新書)

中国侵略の証言者たち――「認罪」の記録を読む (岩波新書)

1956年、戦犯として中国で裁判を受け、その後帰国した45名の供述書の内容と、その歴史的背景を紹介した一冊。戦犯管理所への収容から裁判を経て帰国するに至る過程、証言内容、帰国前後の日本の状況などが扱われています。
戦犯とされた人々の扱いを以て、中国側の対応を手放しに礼賛する必要はないでしょう。日中国交正常化をにらんだ政治的動機に基づくものであることは本書においても指摘されているところですし。ただ、そこを差し引いても、右寄りな連中はうるさく言いそうだな、という内容ではあります。