『アイガー北壁』

映画『アイガー北壁』(公式サイト)
【評価】★★★★☆


【注意】ここから先は内容に触れています。


1936年、ナチス政権時代、アイガー北壁初登頂を目指したドイツ隊と、それを追うオーストリア隊が、落石・吹雪・雪崩などのアクシデントに見舞われ、最期には全員が命を落とすに至った実話をもとにした作品。
ナチの国策としての位置づけについての描写が不十分だった点と、訓練を積んでいないはずの女性がひょいひょいと壁を登っていくというリアリティに欠ける点が気になったので星一つ減。
劇中にも挿入され、エンドロールの最後の方で流れる歌(たぶんナチ時代に歌われていたんだと思いますが)が印象的です。すごく残酷な言い方になりますが、彼らは「前進あるのみ」だった。劇中の描写が真実だとするならば、いくつかの「引くべき場面」で彼らは進むことを選んだ。それが悲劇につながったんだと思います。
「退く勇気」というのも時には必要だし、それを許さない時代ってのはイヤなものだな、と。