『マン・オン・ワイヤー』

映画『マン・オン・ワイヤー』(公式サイト)
【評価】★★★★★
ニューヨークのツインタワーを綱渡りで渡った男のドキュメンタリー。
全体の構成が良かったと思います。本人を含む関係者へのインタビュー、実際の映像・写真、再現VTRの三つを交互に使って進行していくのですが、再現VTにはシリアスなものあり、コメディタッチの部分ありと、メリハリが効いていて良かった。特に深夜に屋上にワイヤーを設置する場面では、星空をプラネタリウムのように動かすことで、それまでの緊迫感とは対照的な軽い映像になっており、計画の最終段階に臨む彼らの高揚感みたいなものが伝わってきた気がしました。
こうした冒険や挑戦というのは、法律的には犯罪なんだけれど壮大な挑戦としての美しさを持っている。映画の中でも本人が語っていますが、こうした行為に「なぜ?」と問いかけるのはやはり意味のないことのように思えます。だから、「こういう情熱の燃やし方もあるのだな」と受けとめればそれで良いのかなと。