ケーススタディ

特に目新しいわけではないがスクラップしておく。おそらく「卵が先か鶏が先か」とかいう単純なところに落としどころを求めてはイカンのだろうな。

 中国共産党中央規律検査委員会は26日、昨年1年間に横領や贈収賄で処分した党員が約1万1000人にのぼることを明らかにした。これを含め、規律違反による処分者の総数は11万人を超える。同委員会は、腐敗問題が中国の「存亡」にかかわるとして対策に力を入れていることを強調した。

 記者会見した同委員会の干以勝秘書長は、横領や贈収賄に絡んで党籍を剥奪(はくだつ)された党員は1万1071人で、このうち7279人が司法当局に送検されたと説明した。

 また、全体の規律違反者について「11万人は決して少なくない」と述べつつも、一方で送検された「腐敗分子」が全体の党員約7000万人に占める割合は「0.1%。一万分の一」とも指摘。「正真正銘の腐敗分子は間違いなく極少数だ」との見方を示した。

 そのうえで、共産党と中国政府にとって腐敗対策は「党と国家の存亡にかかわる重大な政治任務」との考えを示し、胡錦涛(フー・チンタオ)指導部が緊急課題として取り組んでいると強調した。

 中国共産党は24日、上海市トップの陳良宇(チェン・リアンユイ)・市党委員会書記(59)=党政治局員=を、同市の社会保障基金をめぐる汚職事件に関与していた疑いがあるとして解任した。国営新華社通信が25日伝えた。党政治局員の職務も停止した。陳氏は、江沢民(チアン・ツォーミン)・前党総書記につらなる「上海閥」人脈の一人。胡錦涛(フー・チンタオ)総書記(国家主席)としては、来秋の第17回党大会を控え、党幹部の腐敗行為を許さない強い姿勢を示すとともに、権力基盤を一層固める狙いがあると見られる。

 新華社によると、陳氏解任の理由として、(1)一部の違法な企業経営者の利益を図った(2)法律や規律に違反した側近をかばった(3)職務上の便宜を利用して親族のために不当な利益を図った、などの「重大な規律違反」があったとしている。党委書記の職務は韓正・上海市長が代行する。

 一連の汚職事件は今年8月中旬、上海市労働社会保障局長が社会保障基金から32億元(約470億円)にのぼる資金を民営企業家に違法に融資し、収賄などの疑いで解任されたことから始まった。党中央規律検査委員会が約100人のメンバーを上海に送り込んで調査したと伝えられ、その後の約1カ月間で、大手国有企業トップや陳氏の秘書役を長年務めた秦裕・同市宝山区党委副書記(区長)ら少なくとも4人が相次いで解任された。また、江氏に近い黄菊(ホワン・チュイ)副首相の妻も関与を取りざたされている。

 年10%を超える成長を続ける上海経済は、不動産価格の高騰など過熱気味とされる。中央政府が全国的に引き締め策を求める一方、陳氏が温家宝(ウェン・チアパオ)首相に公然と異議を唱えたと伝えられるなど、中央政府上海市側との間で対立が深まっていたとみられる。