Match64

Final
イタリア1−1フランス(PK5-3)

【寸評】
ハイレベルの今大会を締めくくるラストゲームは何とも悲しい退場劇で幕を閉じた。
開始直後、フランスのアンリがイタリアのカンナバーロ接触し昏倒。その後も激しいプレーが続くなか、イタリアのマテラッツィがフランスのマルダを倒したという判定でPK。これをジダンが決めフランスが先制。映像を見る限りではダイブにも見えるが、イタリアゴール前へ放り込まれたボールに目測を誤ったかカンナバーロが外へ開いたポジションを取ってしまい、そこにマテラッツィが遅れてカバーリングに入ったというわずかなミスをイタリア守備陣が犯したことも否定できない。
その後もマテラッツィには危ないプレーが見られたが、19分、ピルロのCKをドンピシャヘッド。ミスを取り返すゴールでイタリアが追いつく。以降、ややイタリアが優位に試合を進め、35分CKからのトニのヘッドは惜しくもバーを叩く。しかしシュートは少なく、トッティはほとんどボールを触ることができない。一方のフランスは、ジダンが中盤のつぶしに手を焼き見せ場は作れず。両チームとも持ち前の守備力を発揮しつつ後半へ。
後半に入り49分、アンリの突破からフランスがペースをつかむ。56分、ビエイラが負傷交代するものの、フランスは左サイドを中心にイタリアを押し込む。60分、イタリアはトッティ・ペロッタOUT、イアキンタデロッシIN。ピルロのポジションを前に上げるが全体的に運動量の落ちたイタリアはボールをつなげず、チャンスは少ない。86分、カモラネージを下げデルピエロを投入するも、トップのトニにボールが収まらずDFラインが押し上げられずに苦しい戦いが続く。一方のフランスもチャンスをなかなか決められず、試合は延長へ。
延長に入りトレゼゲヴィルトールを投入し試合を決めにかかるフランス。しかしリベリのシュートは右に外れ、ジダンのヘッドもブフォンが好セーブで逃れる。111分、ジダンマテラッツィに頭突きを見舞い退場に。試合はそのままPK戦へ。イタリアは全員が決め、激闘に終止符を打った。
ジダンにはカッとなりやすいところがあり、それが現役最後の試合で出てしまったのは残念。イタリアは今大会を勝ち抜くにあたって武器としていた攻撃力は見せられなかったが、DF陣を中心に最後まで守りきった。全体的にはフランスのゲームだったが、それをしのいだイタリアも見事。その意味でPK戦の結果は正当だと思う。