アジアカップ2011・Semifinal/JPN2(3PK0)2KOR

劇的な勝ち方でしたが、ゲーム運びという点では大変に拙く、無駄な30分を戦ったなという印象です。
前半、予想に反して慎重かつ消極的な入り方をした韓国に対し、日本はボール支配率で上回りチャンスを作り出しました。しかし相手がロングボールを使い始めるとあっさりPKを献上。判定は厳しかったですが、ボールに対してプレーしていないというのが悪印象だったのでしょう。
同点にしたあとの時間帯で点を取っておかなかったこと、昨日の試合はこれに尽きます。後半途中、4-1-4-1にされてDFラインの前のスペースを消されると縦にボールが入らなくなり、攻めは手詰まりに。こうなったときの打開策がないことも決勝に向けての不安材料です。
延長にもらったPKについては、「おあいこ」といったところでしょうか。今野のファウル同様、ボールにプレーしていないからということでしょう。それよりもいただけないのが伊野波を入れて5バックにしたこと。延長後半開始から、「これは15分持たない」というのは明らかでした。中盤がスカスカになってしまって、細貝を入れた意味がなくなってしまいました。確かに昨日の岩政は出来が悪く、また韓国が大きい選手を入れてきたというのも気になったのでしょうが、結果失点しているわけですからベンチワークは失敗だったということになるでしょう。控えにスタメンと違う特徴のある選手がいない、というのは今後のチーム作りに向けて考えなくてはならないところかも知れません。

とまぁ、課題を挙げてみましたが、この勝利の価値はいささかも減ずるものではありません。個人の力で勝る相手に、前半はとてもよいコンビネーションで攻め、ほとんどサッカーをさせなかったのですから、準備期間が短かったことを考えると今後が大いに楽しみです。冷静に相手の特徴を見極めて、試合前から言っていたとおりの形で崩して同点ゴールを演出した長友は頼もしい限り。本田は持ち前のキープ力と、実はあまり言われていない守備での貢献を昨日も見せました。準々決勝でやらかした川島は見事に雪辱を果たしたし、同点に追いつかれたあとの長谷部のベンチでの振る舞いは本物のキャプテンがついに現れたとの予感を感じさせるものでした。
これで次のアジアカップの予選は免除になりました。そしてなにより、次に勝てばコンフェデに出られる。コンフェデに出られなければ2位も3位も一緒。その意味で、今大会初めて「絶対に負けられない戦い」が訪れたな、という感じです。土曜日は絶対見ます!BSで。