青柳正規『人類文明の黎明と暮れ方』

人類文明の黎明と暮れ方 (興亡の世界史)

人類文明の黎明と暮れ方 (興亡の世界史)

文明の生成・発展・衰退過程の多様性を指摘し、進歩至上主義・要素還元主義的価値観に陥っている現代文明に警鐘を鳴らす。
歴史学というより現代文明論だという予断を持って読んだ方がいいかもしれない。シリーズのガイダンスとして極めて有益な内容。
文明を発展させた要因が、のちに衰退の要因になる、という指摘は首肯。灌漑がメソポタミアに実りと塩害をもたらし、均質性が日本社会に急速な近代化と昨今の外国人犯罪に対処出来ない警察の検挙率の低さをもたらし、そしてトレセン制度がテクニックのある中盤と点の取れないFWを産み出したw