『CHEチェ 39歳別れの手紙』

『CHEチェ 39歳別れの手紙』(公式サイト)

【評価】★★★★☆
チェ・ゲバラの生涯を描いた二部作の後編。
前作がゲバラの演説を織り交ぜたノンフィクション的手法を用いたのに対し、本作はゲバラの言葉すらほとんどなく、ボリビアでのゲリラ戦の果てに追いつめられていく彼の姿のみで構成されています。「何を感じ取るかはおまかせ」という作り手の意図が濃厚に感じ取られます。エンドロールの最中に音楽が流れないのも同様の意図によるものでしょう*1
殺されるときに吐いたとされる最後の言葉は諸説あるようで、本作では非常に短い言葉になっています。今回もボリビアでの闘争というメインの部分に至る過程、すなわちキューバを去らざるを得なくなった事情、コンゴでの失敗はすっ飛ばされています。ここはさすがに少しは触れた方が良いのではないかと思うので星一つ減です。前作同様、ドキュメンタリータッチの作品を好まない方にはお勧めできませんが、Tシャツ着たりフラッグに描いている人たちは見ておいた方が良いんじゃないでしょうか。

*1:だからって席を立つなよシネフロの○○観客ども。