『CHEチェ 28歳の革命』

『CHEチェ 28歳の革命』(公式サイト)

【評価】★★★★★
好みが分かれる映画ではないでしょうか。歴史ドキュメンタリーのようなものを求めて観ると、キューバ革命の背景・過程の説明が圧倒的に不足していると感じるでしょうし、ゲバラの人生をドラマチックに描いているわけでもありません。話は余計な説明は挟まず淡々と進みます。が、全体の構成(キューバ革命と1964年の国連での演説が交互に出てくる運び方は、異なる二つの時間のエピソードを交互に描写するというノンフィクションでよく使われる手法)、彼自身の言葉の引用を多用することで受け手に考えさせるという姿勢、私は好きです。
彼は革命成功後、その理想主義的態度から政権で孤立していき、キューバを離れるわけですが、ラストの車のシーンは彼の生真面目さを伝えるとともに孤立へ至る前フリとしても効果的だなと思いました。ちなみにカストロとの出会いまでの物語はすっ飛ばされています。