今日の言霊・2008-07-12

暇つぶしのために選ぶ本と、長い旅に持っていくために選ぶ本の違いは大きい。そして、旅の必需は本だけでなく、そのときの悩み、もしくは思索もあり、今回の旅はどこに行こうかというのは実はどうでもよくて、この旅で何を考えようかということのほうが重大な目的なのだ。要するに、旅の目的は、娯楽でもなく、趣味でもなく、観光でもなく、放浪でもなく、かっこよくいうと、考える時間といっても間違いではない。かっこわるくいうと逃避。
松浦弥太郎「考える時間もしくは逃避のために」(『yom yom』vol.7)