江南一周游-第五天之一

旅は五日目。今日は終日自由行動ということで、初訪問の蘇州の観光地をできるだけ回ることにしました。
ホテルを朝九時に出発。まずは市の中心部に向かいます。蘇州第一の繁華街は観前街。昨日の最後に訪れた玄妙観から西に延びる道です。その道と南北に走る幹線道路*1がぶつかる交差点から少し西に行ったところ、景徳路に城隍廟があります。昨日のうちに発見していたのですが時間がなかったので、郊外に出かける前にちょっと中を見学。
城隍廟というのは街の神様を祀る施設で、実在の人物が神格化されて守護神となることが多いです。迂闊なことに蘇州の城隍神が誰なのか、見てくるのを忘れてしまいました。後で調べたところによると、どうやら春申君のようです。
なかでは香を焚いて一心にお祈りする市民。なかなかに賑わっています。

ここから西に向かうバスに乗って20分ほど。最初の目的地、寒山寺に到着。
このお寺は南朝・梁の創建。唐代に寒山寺に改名されました。中は観光客でいっぱい。おまけに工事している所もあり、ちょっと落ち着かない感じ。でも建物はなかなか立派です。
寺そのものもさることながら、もう一つの目当ては近くにかかる楓橋。この橋と寒山寺は唐の詩人・張継の「楓橋夜泊」という詩に出てきます。去年、ちょっとした事情でこの詩に触れる機会があったので、なら実物を見ておこうという次第。

寒山寺の中には清代の人・兪樾の筆になる「楓橋夜泊」の碑があります。それがこちら。
寒山寺の西側は、盤門同様に風景区になっており、その中に楓橋発見。
「楓橋夜泊」という詩は、寒山寺の近くに停泊している船から、夜半に打ち鳴らされる寒山寺の鐘の音が聞こえる、という内容のもの。確かに鐘楼で観光客が鳴らしている鐘が聞こえます。
この写真にあるように、寒山寺の周囲にはクリークがあります。というより、そもそも蘇州という街自体が水郷都市と呼ぶべき形状で、今でもクリークが市中心部を縦横に走っています。その辺の写真はまた載せるとして、次に行きましょう。

次に行ったのは西北郊外の虎丘。
この丘は、春秋時代に呉王闔閭が葬られたとされる丘で、巌雲寺という寺が置かれています。ここの塔が珍しくて、入り口から見ると真っ直ぐに見えますが…







これでも分かりにくいかな?

これで分かるでしょう。傾いているのです。傾きが一番分かりやすいスポットからの写真は間違って消してしまったみたいです。ここは地盤が悪く、沈下により傾いてしまったとのこと。不思議な光景ですね。
  
春先ということで境内ではいろんな花が咲いています。右端の写真、左側に移っている水色の影はウエディングドレスを着た女性。この日は日曜日ということで、いたるところで新郎・新婦が恥ずかしい写真を撮っていました。イヤ、中国人の記念撮影ってやたらと構図に凝ったりポーズをとったり、端から見ると恥ずかしいんですよ、実際w

ここも有名な観光地ということで、中国人・外国人を問わず多くの人が訪れています。子供もお母さんも楽しそうです。乗っかっているのは千人石。ここに千人の人を座らせて説法をしたのだとか。
今日はこの辺で。次回はこの日の後半を。

*1:と言うにはあまりにも狭い通り。蘇州は古い街並みを残すために道路拡張は行えないようで、交通事情は最悪です。