平野聡『大清帝国と中華の混迷』

大清帝国と中華の混迷 (興亡の世界史)

大清帝国と中華の混迷 (興亡の世界史)

チベット仏教を保護することでモンゴル・チベットを含む大版図を築いた「内陸アジアの帝国」清朝が、西洋のアジア進出により「近代東アジアの帝国」へと変容していく過程を、清朝知識人の世界観や周辺外交の展開を中心に描いた一冊。近代になって創られた「中華民族」意識が生む民族問題、中国にとっては唐突に現れた「未知の国」日本との関係など、現代の問題にヒントを与えてくれる良書。