中国産冷凍餃子食中毒問題関連記事その3

 メタミドホスの鑑定結果が次々と明らかになった。一度は店頭に並んでいた未開封の冷凍ギョーザの袋の内部からも4日、検出された。これまで農薬成分が確認された製品は流通ルートが異なり、同じ原因で混入・付着したとすれば、その時間や場所は限られる。中国の工場内で汚染されたとの見方が強まっている。

 大阪府枚方市のスーパーから回収された冷凍ギョーザ。4日の兵庫県警の鑑定で、1袋の内側とギョーザの皮からメタミドホスが検出された。未開封の製品の内部から農薬成分が検出されたのは初めてだ。

 使われた包装は高分子のポリプロピレン製だ。袋の表面からは筋状の傷が見つかったが、水分がしみ込む程度でメタミドホスの混入経路になる可能性は低いと県警はみている。千葉市と千葉県市川市で中毒を引き起こした製品の袋からも穴や傷は確認されていない。

 4日の鑑定では、包装の内側やギョーザの皮から農薬成分が検出されたが、ギョーザの具部分からは出なかった。

 千葉市の家族が食べたギョーザの鑑定結果とも符合する。こちらは皮と具からメタミドホスが検出されたが、濃度は皮の方が高かった。千葉県警は「皮部分にまず付着し、内側へ浸透した」とみている。

 こうした状況から捜査当局は、具を皮で包んで成形した後に汚染されたとの見方を強めている。

 袋が何らかの原因で汚染され、包装された以降に袋からギョーザに移った可能性も否定しきれない。殺虫の目的で行う工場内の燻蒸(くんじょう)は昨年2回実施されたが、事件後、工場を点検した日本生活協同組合連合会は「燻蒸にメタミドホスは使用されていない」としている。