中国産冷凍餃子食中毒問題関連記事その2

 中国製冷凍ギョーザの中毒問題を巡り、企業や行政の判断や対応に不手際が相次いで浮上している。包装袋のベト付きなどの苦情が出た際の企業側の検査が不十分だったり、行政の連絡に不備があったりといった問題の連鎖で原因特定は遅れた。企業側の認識の甘さに加え、情報を速やかに共有する仕組みがなかったことが背景とみて、国などは制度の見直しに乗り出した。

 最初の被害発生は昨年12月28日。天洋食品(中国)製の冷凍ギョーザを食べた千葉市の母娘が吐き気などを訴えた。販売した生協側と輸入元のジェイティフーズ(東京・品川)は細菌による食中毒を想定し食品を検査した。

 「パッケージの外側がねばねばし、異臭がする」。中国製冷凍ギョーザの袋の外に付いていた殺虫剤メタミドホス。異変は昨年12月27日に現れていた。

 しかし、輸入仲介を行った双日食料(東京)が1月中旬に検査機関から受け取った結果は「リン酸系の油」「具体的特定は難しい」。双日食料は3日夜の緊急記者会見で「外装の汚れだったので、中毒との関連に思いが及ばなかった」と説明した。汚染袋の広がりで、警察当局はさらに広範な捜査を強いられることになった。

 新たに6袋の外側から有機リン系殺虫剤メタミドホスが検出されたという兵庫県警の発表を受け、双日食料、輸入元のジェイティフーズ(JTF)の親会社・日本たばこ産業(JT)がそれぞれ記者会見した。

 JT側の説明によると、大阪府枚方市内のスーパーから「外側がねばねば、異臭もする」との報告があったのは昨年12月27日。その後、JT側は今年1月7日に「食味検査の結果、異常がなかった」と双日食料に報告した上で、包装袋の検査依頼をしたという。

 双日食料によると、翌8日に11袋をJTから受け取り、そのうちの3袋について、9日に東京都内の検査機関に検査依頼した。

 「リン酸系の工業用の油とみられる」との結果を受け取ったのは1月18日。さらに、「油溶解性の黄色い液体と水溶性の透明な液体。脂肪酸エステルやリン酸化合物を含んでいるという特徴は明らかだが、いろいろな化合物の混合物であるため、具体的な物質の判定は難しい」との結果を受け取ったのが22日だった。

 会見で、双日食料の武田浩文社長は「包装袋の汚れで、有害物質との認識もなく、社員が食味して異常がなかったため、回収は考えなかった」と説明した。11袋のうち6袋は双日食料が保管し、2月2日に県警の依頼で任意提出。県警の検査の結果、メタミドホスと特定されたが、武田社長は「提出依頼を受けるまで、中毒との関連は思いが及ばなかった」と話した。検査機関に依頼した3袋に付着した物質がメタミドホスだったかどうかについては、「わからない」とした。

 同社の基準では、外装のクレームは5段階のうち最も軽いレベル1に分類され、回収が検討されるのはレベル4以上という。

 「多くの方にご迷惑をおかけしたことを心よりおわび申し上げます」。JTの会見で、岩井睦雄取締役ら3人の幹部は深々と頭を下げて謝罪した。

 岩井取締役は、JTFが輸入した「中華deごちそう ひとくち餃子(ギョーザ)」を回収した経緯について、約5分間説明。約50人の報道陣からは、商品が店頭に並んだ枚方市内のスーパーの名称の質問が出たが、岩井取締役は「兵庫県警が捜査中のため、差し控えたい」と店名を明らかにせず、同社が「ハッピース枚方」と店名を公表したのは会見終了後の午後11時過ぎだった。


やりようによっては被害の拡大は防げたのではないか。

 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、パッケージの表面からメタミドホスが検出された「中華deごちそう ひとくち餃子(ギョーザ)」(20個入り)6袋と、兵庫県高砂市で中毒被害が出た同種の1袋を、大阪港で保管していた「キユーソー流通システム」(本社・東京都)は4日、朝日新聞の取材に対して「段ボール箱のまま保管しており、出荷までに製品を開封することはないと思う。ここでの混入の可能性はないと考えている」と話した。

 一方、大阪府枚方市内のスーパーにメタミドホスが付着していたギョーザを卸していた旭食品近畿冷凍流通センター(京都府久御山町)は、運営する委託会社が商品の運送や保管をしている。管理する旭食品の関連会社の担当者は「こちらでは預かった商品の段ボールを出荷までに開けることはなく、異物が混入することはないと考えている」と話し、旭食品(本社・高知市)の広報担当者は「流通段階での不審点があったかなど、詳しいことを現在調べている」としている。


やはり中国の工場で保管している際に混入されたという可能性が高いのではないでしょうか。外装を中心に付着していたことも含めて考えると、残留農薬などの問題とは切り離して考えるべきなのかなと思います。