NHKスペシャル 夫婦で挑んだ 白夜の大岩壁

見ました。
彼らが手足の指のほとんどを失っていることはもちろん、「残った指」で日常生活を器用にこなしていることも、知識としては知っていました。でも、実際に映像で見せられると、改めて「凄い」の一言です。
何が凄いかというと、「指を失ってもあれだけできる人間の体ってスゴイね」というのではなくて、「あのような手足でなお登ろうとする、そのためにあらゆる努力・工夫を惜しまない」という意思の力が凄いな、と思います。五体満足でもまともに体の機能を使いこなせていない人間がいる一方で、ハンデを背負いながらあれだけのことができる人がいる。人間には「意思の力」が大事なのだということを思い知らされました。
それと、『凍』を読んだ時にも感じたことですが、彼ら夫妻のあり方は、「パートナーシップ」の究極の形だなと思います。自分のことは自分で責任を持ち、なおかつ相手を支えるってのは人間関係における基礎の基礎ですが、これを極限状態でこなせているというところも凄い、ですね。
この間のブックレビュー(2008-01-03)で、「冒険家というのは自分とは最も遠いところにあって、だから彼らの話を読んでも根本の所は理解しきれない」という意味のことを書きましたが、そうではなくて、この「意思の力」を持っている人たちが羨ましいだけなのかもね、ただ単に。
充実の一時間。ハイビジョンスペシャルはもっと長かったハズ、そこが悔しい。
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丸山直樹『ソロ-単独登攀者・山野井泰史』
沢木耕太郎『凍』