加藤陽子『満州事変から日中戦争へ シリーズ日本近現代史〈5〉』

満州事変前夜から日中戦争勃発までの時期を、当事国間の交渉や国際法の解釈に関わる問題を中心に扱った一冊。日中二国間の問題だけではなく、列強諸国の動向も詳細に描かれています。国内情勢についてはほとんど触れられておらず、このシリーズの既刊分とはちょっと異なる印象を受けますが、そのあたりは『興亡の世界史』で姜尚中が書くと思うので、読み比べてみるのもいいんじゃないでしょうか。