森谷公俊『アレクサンドロスの征服と神話』
- 作者: 森谷公俊
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/01/18
- メディア: 単行本
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専門でもない私には内容を云々することは出来ませんので、ホントに感想をちょっとだけ。
筆者自身も述べているように、大王の「帝国」は結局まともな体裁を整える前に大王自身の死によって瓦解しています。というより、彼に「帝国」の構想なんてなかったんじゃないか、という筆者の見解はおそらく正しいのではないかと思います。
この「題材としての限界」から、自ずと本書は「アレクサンドロス大王の伝記」及び「大王の遠征記」の色合いが濃くなってしまっており、シリーズの狙いとは若干ずれてしまっている気がします。これは筆者の責任とかではなくて、題材が特殊すぎたためと言うべきでしょう。だから、大王が世界史に与えたインパクトとして、むしろ大王の死後により多くのページを割くべきだったのではないでしょうか。