Good job, Mailman!

「孫からの手紙 届けられ涙が」(朝日新聞2000年12月1日付「声」欄)

 11月中旬のある日、小5の孫から夫の携帯に「じいちゃん、わたし、手紙を出したんだけど、封筒の中に手紙入れるの忘れたんだ」と涙声で掛かってきた。
 孫の母親に聞くと、孫は「手紙入れるのを忘れた」と言って、今度は封筒に入っていない便箋の手紙だけを同じポストに入れてきたらしい。「まずは明日、封筒だけが届くと思う。便箋だけポストに入れても郵便局では分からないだろうから、多分捨てられちゃうでしょう」と母親は言う。
 その翌日、郵便が来るのを首を長くして待っていた。届いたのは、孫が暮らす埼玉県内にある三芳郵便局の名前が入った大きな封筒だった。
 封を開けてみて驚いた。中には切手を張った孫からの封筒と便箋が一緒に入っていた。手紙の裏には孫の名前があり、「ごめんなさい、ごめんなさい。手紙を入れるのわすれました。いっしょにもっていってください」と書かれていた。
 その手紙を見て私も涙した。また、よくぞ一緒に届けて下さったと、郵便局の方に感謝し、心が安らぐ一日だった。