『ブラック・ダリア』

『ブラック・ダリア』(公式サイト)

センセーショナルな猟奇殺人事件をめぐる物語

 1940年代のロサンゼルス。ダウンタウンの空き地で、身体を真っ二つに切断された女の惨殺死体がみつかった。黒い炎を思わせる漆黒の髪、青白い肌を照らす黒ずくめのドレス。ハリウッド・スターを夢見ながら大都会の暗闇に葬られたその女を、人々は、ブラック・ダリアと呼んだ。やがて捜査線上に浮かび上がる一編のポルノ・フィルムの存在。ダリアと瓜二つの大富豪の娘、そして、彼女の一族にまつわるドス黒い秘密。ロサンゼルスの闇の中で妖しくうごめく事件の謎は、捜査にあたる若きふたりの刑事の運命をも狂わせていく……。

 原作は、97年に映画化されてアカデミー賞2部門に輝いた「L.A.コンフィデンシャル」と並ぶ<ロス暗黒史4部作>の第1作。10歳のときに実母を殺害されたエルロイ自身の生い立ちが色濃く反映されたこの小説は、自らを「暗黒小説界の魔犬」と名乗るエルロイのたぎるような情念がほとばしる、最高傑作として知られている。(【EIGAFAN.COM】より

エントリー執筆時点で公式サイトはアクセス過多で接続できない状況です。よって上のあらすじは別の所から。うーん、でもアクセスが集中するほどの傑作だったとは思えません。向こうのサーバーの問題でしょう。
1947年、アメリカ・ロサンゼルスで起きた「ブラックダリア事件」。未解決のこの事件をもとにしたジェイムズ・エルロイの同名小説の映画化。
いくつかの事件・エピソードが複雑に絡み合い、最後にはそれらがブラック・ダリア事件の真相へと収斂されていくのですが、前半部分の各エピソードの描き方があまりにも断片的すぎて、真相に関係する要素の印象づけも希薄。終盤に思い出すのにホネが折れました。主人公のモノローグでも入れておさらいする時間を設けて欲しかった。
遺体発見の場面など、映像的には見るべきものはあったが、ラストのバッキーの「決断」も含めて劇中の人物の心象がほとんど伝わってこない。要するに私の苦手なタイプの映画だった、という一言に尽きます。