長すぎる

オウム・松本被告の死刑確定 最高裁が特別抗告棄却(asahi.com)

 一審で死刑判決を受けたオウム真理教元代表松本智津夫麻原彰晃)被告(51)について、最高裁第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は15日、裁判手続きを打ち切らないよう求めた弁護側の特別抗告を棄却する決定をした。松本被告の死刑が確定した。96年4月の初公判から10年余。日本を震撼(しんかん)させたオウム真理教によるテロ事件の首謀者の審理は、実質的に一審だけで終結するという異例の展開で幕を閉じた。
 最高裁では、松本被告に訴訟能力があるか、高裁で実質審理を受ける機会を奪うことが憲法の保障する「裁判を受ける権利」を侵害するかどうか――などの点から、期限までに弁護団が控訴趣意書を提出しなかったことを理由に審理を打ち切った東京高裁決定の是非の検討が進められた。
 第三小法廷は「被告の訴訟能力を肯定した高裁の判断は是認できる」と判断した。根拠として、一審公判当時の発言内容▽一審判決当日の拘置所に戻ってからの言動▽その後の拘置所内での動静――などを列挙。訴訟能力を認めた精神鑑定書は信用できると述べた。
 次に、弁護人は控訴趣意書の提出期限だった05年8月31日、控訴趣意書を作成したと明言しながら、精神鑑定の方法に問題があるなどとして趣意書を提出しなかったと指摘。「やむを得ない事情があるとは到底認められない」と判断した。
 さらに「被告は弁護人と意思疎通を図ろうとせず、それがこのような事態に至った大きな原因になった。責任は被告にもある」と述べ、「裁判を受ける権利を奪うのは不当」との弁護側主張を退けた。
 弁護側は「被告と意思疎通ができない」として、期限の昨年8月末までに控訴趣意書を出さなかった。このため東京高裁刑事10部は今年3月、裁判手続きを打ち切る控訴棄却の決定をした。弁護側は異議を申し立てたが、同高裁刑事11部に5月、棄却された。
 松本被告は55年、熊本県生まれ。84年にオウム神仙の会を立ち上げ、87年にオウム真理教に改称した。90年には衆院選に立候補するが落選した。95年、潜伏先の山梨県上九一色村(当時)で逮捕された。

「松本サリン事件」の時は日本にいなくて、(阪神大震災をうけて)帰ってきてすぐに「地下鉄サリン事件」。1年弱いない間に日本はどうなってしまったんだ、と少々ショックを受けた記憶があります。が、覚えているのはそうした自分の置かれた状況に関わる部分だけ。ディテールはほとんど飛んでしまっていることを考えると、やはりこの裁判は長すぎたのではないか、という印象です。