代表v.s.イエメン戦

トリニダード・トバゴ戦は見ていないので今回が新しい代表の初見だったのですが、内容的には多分今後の参考には全くならないでしょうね。以下、雑感。
【予想通りだった苦戦】
この試合、アウェーのイエメンとしては、自陣深くに守備ブロックを作ってチャンスがあれば縦一本でカウンター、という戦い方を取るのが当然。焦点は「日本が引いた守備をどう崩すか?」にあるというのが戦前の論調でした。しかし一方で私は「きれいに崩すのは難しいだろうな」とも思っていました。理由は二つ。

  1. 招集されて間もない上に以前から組んでいるわけでもないメンバーが、数日の合宿でお互いのプレーの理解に至るのは極めて困難であること
  2. リーグ戦のすぐあとに招集され、リカバーもそこそこにハードな練習をしていた(と報道されている)こと

要するに現段階の代表は相手の戦い方を云々できる段階にない、ということです。で、合宿での練習も別段イエメン戦のみを想定した練習ではなかったようなので、今日の試合展開もむべなるかな、と言ったところでしょうか。

ちょっと試合のレビューからは話が逸れますが、目先の結果だけを追い求めるのであれば、アジアカップ予選・本戦、ワールドカップ予選を想定して、今回のイエメンのように「引いて守る」相手に対する戦い方を徹底するというのも一つの指針としてあるでしょう。しかしそれは結局場当たり的なチーム作りに終始することにつながり、チームの土台ができないままズルズルと進んでしまいかねません。「考えて走る」「チーム全体のダイナミズム」といったものを掲げてより高いレベルを目指したチーム作りをしている以上、そこに至る近道はないし、同時に時間だって十分あるわけではない。そうした意識が今回の合宿のハードスケジュールに表れているのではないでしょうか。閑話休題

【イマイチ理解できていない奴ら】
攻撃面限定。

  • アレックス。後半、羽生が左サイドに入り何度もスペースに飛び出す動きを見せていたにもかかわらず、アレックスからなかなかボールが出ない。周りと全くリズムが合っていませんでした。
  • 巻。クロスに対して棒立ちではいけない。欲しいところへ動き出して、出し手から引き出す工夫が足りなかった。コンビネーションがなっちゃいなかったという意味で田中達也も「奴ら」に片足突っ込んでいる。
  • 坪井。もう少し積極的な配球ができないか。
  • 田中マルクス闘莉王。「追い越してその流れで受ける」のでなければオーバーラップの意味はないんだよ、このチームでは。展開が展開だったにせよ、前線に張りっぱなしはダメだろう。若い頃の松田のプレーをビデオで見て勉強しろ。ただしあんまり若すぎる頃のだとキレ癖ついちゃうから気をつけろ。

まだまだ先は長いな、というのが正直な感想です。劇的に変わるにはしばらくかかる。千葉サポは思っているんじゃないでしょうか、「ウチも最初はこうだったよ。ガマンガマン」と。
あと、比べるのは甚だ失礼ながら、何だか既視感を覚えてしまいました。そう、まるで二年前の札幌を見ているよう*1。諸君、代表にだって近道はないんだ、況わんや札幌においてをや。

*1:今「また元に戻っちゃってんだろ」と言ったヤツ前へ出ろw