川無知のバカ野郎!&オシムが見た'06代表

J1・千葉のイビツァ・オシム監督にオファーを出しているようです。が…

 川淵キャプテンは「本来は正式に決まってから公表するつもりでしたが、うっかりオシムの名前を出してしまった以上は、はっきり言います」と述べ、オシム監督に一本化した理由として「弱かったジェフ千葉をあれだけ魅力的なチームにした監督術は素晴らしいと思っている。選手の判断を尊重する指導方法はジーコ監督の考えを受け継いでいく上でふさわしい」と説明した。

何と無礼な!「弱かったジェフ千葉」というところもさることながら、交渉途中で協会側の人間、それもトップが「うっかり」名前を出してしまうとは。これでオシムが万に一つでも断れば彼が悪者みたいになるじゃないか。「退路を断って引き受けさせる」みたいなやり方、気に入りません。

それはそれとして、いまさら言うまでもありませんがやはり彼は信用できます。大会前のオシムへのインタビューから彼の考えの一端を。
【オシム監督(千葉) W杯共同インタビュー -1- 】「サッカーというのは、バランスを保つために水を運ぶ役割をする選手が必要」 ( J's GOAL )

Q:いま初戦の話をされていますけど、90年W杯のオシム監督は西ドイツを相手にサビチェビッチとかストイコビッチ、スシッチ、攻撃的な選手を入れて1−4で負けていますよね。このときの初戦とはどう位置づけたんですか?
「まず3試合あるうちの第1戦がいちばん良い国とやる試合だったということです。
あの試合に関しては、全力を尽くして負けたんですよ。ただ、全力の尽くし方として、国のいろんなメディアの皆さんを納得させるために、いちばん良い選手たちを西ドイツ戦に起用したんです。ただ、いちばん良い選手・名前的に良い選手を集めたチームと、いちばん良いチームとはまた別だということなんです。それを国の人にわかってもらうために、敢えてそのメンバーを組んで戦いました。実際にそのメンバーを組んで負けたわけですから、あとは周りの人たちに納得してもらえたわけです。そこで私は新たにチームを組んで次の試合に臨んだのです」
(中略)
「日本で言えば、例えば中盤に小野がいますよね、小笠原、中村、中田英寿、それだけいてアレックス(三都主)もいます。さらに前線に玉田や柳沢といっぱいいるわけです。誰が見てもこの選手は試合に出るべきだという選手が6人はいます。ただ、そういう選手のうち、ディフェンシブな選手はいるのですか。全員攻撃的な選手です。では、一体誰がディフェンスをやるのですか。サッカーは4人で守ることはできないのです。サッカーというのは、バランスを保つために水を運ぶ役割をする選手が必要になってくるわけです。そういう意味ではジーコのチームでも同じことが起こっているわけで、その話をさっきしていたわけです。福西ひとりで水が運べるでしょうか。福西がトラックを運転して運ぶことはできますけど(笑)、チームのバランスというのはそういうことを言うのだと思います。」

「チームのバランス」をきちんと考えた選考ができ、「○○を使え!」といったヒステリックな世論をはねのける意思がある監督だと思います。ただ、最終的には選手が自覚を持って努力しないことには、監督がオシムだろうがベンゲルだろうが松木だろうが意味がないというのは言うまでもありません。