新田次郎『劒岳 点の記』

新装版 劒岳 ―点の記 (文春文庫)

新装版 劒岳 ―点の記 (文春文庫)

映画が良かったので小説も、ということで買ったものの、ずいぶん積んだままでした。ようやく読了。
映画では山岳会との競争がかなり大きく扱われていましたが、原作では山岳会はかなり影が薄いです。「見えざる敵」のような扱い。小島烏水も冒頭で出たきりです。
また、生田信は映画では功を焦るあまり仲間と衝突することもしばしば、といった人物になっていますが、原作ではそうしたことはなかったです。
映画でもそうでしたが、読後感は爽やか。短いセンテンスを続ける筆者のスタイルもそう感じさせる一因だと思います。