恩田陸『夜のピクニック』

夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

いまさらながら読了。
自分にはこういう形の「青春」は無かった(何せ男子校だし人付き合いは今もそうだが「広く浅く」だし。)にも関わらず、妙になつかしく感じるのはなぜだろう?
杏奈が仕掛けた「おまじない」の正体は、ちょっと肩すかしの感あり。舞台が歩行祭の一日なので、すでに転校してしまっている彼女の存在は読者にはどうも希薄に感じられて、だから彼女が事態をそこまで読んでいた、って言われてもどうも説得力に欠ける。
それでも良い小説なのは間違いないです。もういっぺん読んでもいいかな、と思わせるぐらいには。