宇都宮徹壱『股旅フットボール』

股旅フットボール

股旅フットボール

雑誌『サッカーJ+』(休刊)に連載された地域リーグ(四部に相当)観戦記。彼の著作は、サッカーだけでなく「旅」の雰囲気が濃厚に感じられるので好きです。
連載時は気づかなかったのですが、こうして一冊の本になってみると、各地域のチームの取材→全社・地域決勝という流れはノンフィクションの構成として王道モノ。全社や地域決勝の部分がそれまでのエピソードを踏まえてもう少し計算して書かれていれば、読み応えがグッと増したかな、と思います。
それを差し引いても、地域リーグで展開される「J」を目指す物語はなかなかにドラマチックですし、地域ごとの事情の違いも面白い。北海道については、よそから移り住んできた身としてよく分かるところがありました。良く言えば楽観的、悪く言えば危機感無し、という道民気質が。