上橋菜穂子『虚空の旅人』

虚空の旅人 (新潮文庫)

虚空の旅人 (新潮文庫)

シリーズ第四作。チャグム中心の「旅人」シリーズとしては最初の作品。
全体の構成は、数カ所で進行してるエピソードが最後に一点に収斂していくという形にはなっていますが、それらが有機的に絡んでいるとは言いがたく、メインの部分は専らサンガルの王宮でのみ展開しています。その点、前三作に比べて物語の舞台のスケールが小さくなってしまったという印象です。このあとの話の伏線的な位置付けのようなので、今後に期待です。