ジェイムズ・P・ホーガン『巨人たちの星』

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))

「巨人たちの星」シリーズ第三作。前二作に比べて謎解きの要素は激減。代わりに「ブラックホール」「異星人との戦争」といった、80年代SF的要素が多くなっています(原書は1981年出版)。ジェヴレン人のメインコンピューターにウソの情報を信じ込ませて混乱させるという場面は、「それくらい高性能のコンピューターなら気付くだろう」と思ってしまう、ちょっと安直な展開。アメリカとソ連が手を結んで異星人に立ち向かうというのは当時はそれなりにインパクトのあるストーリーだったのでしょうが、ポスト冷戦時代、多極化の21世紀に読んでしまうとむしろノスタルジーすら覚えます。若者はこの内容を読んでも何のことやらさっぱり分からないでしょう。
全体の評価はまあまあ、といったところでしょうか。まだ続きがあるようですが、あんまり評判が良くないようなので、読むかどうかは分かりません。