ジェイムズ・P・ホーガン『ガニメデの優しい巨人』

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

『星を継ぐもの』に続く「巨人たちの星」シリーズ第二作。前作同様、謎解きを中心とした内容です。所謂「ファースト・コンタクト」、地球人と2万5千年前から現代に戻ってきたガニメアンの邂逅が描かれた部分が印象に残りました。
物語の設定として、時代は21世紀の20年代、地球では国家間の戦争はなくなり、それまで軍事に向けられていた科学力・資金といったものが宇宙開発に注がれて、人類は木星に到達している、ということになっています。書かれたのは1970年代後半。こういう楽観的設定を見るにつけ、この頃は未来に希望が持てた時代だったんだなぁ、と思います。これよりちょっと古い生まれですが「ドラえもん」にも同じようなものを感じます。実際に21世紀を生きてみるとお先真っ暗ですけどね。