吉田裕『アジア・太平洋戦争 シリーズ日本近現代史〈6〉』

アジア・太平洋戦争―シリーズ日本近現代史〈6〉 (岩波新書)

アジア・太平洋戦争―シリーズ日本近現代史〈6〉 (岩波新書)

岩波新書の日本近現代史概説、シリーズ第6冊。バランスの取れた内容だと思いますが、主眼がアメリカとの戦争に置かれているため、中国大陸における戦いにあまり言及していない点が個人的にはちょっと残念です。
「鬼畜米英」という言葉のセットとは裏腹に、戦時中のアメリカに対する国民感情がイギリスに対するそれとは異なっていたこと、東条英機について「行動する指導者」像が国民に受けたものの、戦局の悪化とともに現場から醒めた目で見られるようになったことなどが興味深かったです。