井野瀬久美惠『大英帝国という経験』

大英帝国という経験 (興亡の世界史)

大英帝国という経験 (興亡の世界史)

講談社『興亡の世界史』シリーズ。植民地アメリカ喪失による大英帝国の変質を、移民・奴隷・モノ・旅行・女性といったさまざまなテーマから説き明かした一冊。
非情に読みやすかったです。アメリカ喪失によるイギリス人のアイデンティティの揺らぎが丁寧に説明されています。また、本国(ブリテン島・アイルランド島)におけるイングランドスコットランドイングランドアイルランドの関係が、帝国全体における問題といかにリンクしているかという点にも多くのページが割かれています。「入れ子構造」のようなイメージでしょうか。
筆者の主眼とはずれるので致し方ないにしても、植民地側に関する叙述がもう少しあってもよかったかなという気がします。


さて、ようやく配本のペースに追いついてきた、と思ったらまだ残っていたよ例の「ジハード」が。三分の一ぐらい読んだけれど、むむう、やっぱりねぇ…