後ろに座る学生、教員に厳しく自分に甘く 産能大調べ(asahi.com)

 教室の後方に座る学生はテストの成績は悪い一方、講義への評価は厳しかった――。産業能率大(神奈川県伊勢原市)の松村有二・情報マネジメント学部教授が約140人の学生を対象に調べたところ、そんな傾向が明らかになった。自由に座席を選べる講義では、前に座る学生ほど勉強に取り組む姿勢も前向きのようだ。

 調査は、05年9月〜06年1月の松村教授の「調査の基礎」の受講生を対象にした。学生にはICカードを渡し、着席時に座席の端末に載せることで、誰がどこに座ったかがわかる。定員298人の教室を使い、11回の講義で各学生の着席パターンを記録。期末試験と講義の最後に行った授業評価アンケート(10項目)の結果を、前方(32人)、中央(81人)、後方(30人)の3グループに分けて分析した。

 試験では、前方の平均点が51.2点だったのに対し、後方は30.9点と、20点以上開いた。一方、授業評価では、「配布資料の役立ち具合」「教員の熱意」「理解度」など全項目で前方より後方の方が厳しい評価をした。後方グループには、教員に厳しく、自分に甘い姿勢がうかがえる。

 後ろだとスクリーンが見づらいから成績が悪いのか、それとも成績が悪いから後ろに行くのか。分析はこれからだ。調査は今年度いっぱい計3カ年続けるという。

 分かりやすい講義をするために調査を始めた松村教授は「(後ろに座るのは)自分が教員から見えづらいよう、少しでも長い距離を取りたいのかもしれない。でも、見え方は同じなんですがね」と話している。

試験の成績も授業評価も、「そりゃそうだろうな」という結果。
「中央」と「前方」「後方」の人数に大きな開きがあるが、これはおそらく教室を三等分したところ中央の密度が高く前方・後方はスカスカだった、ということだろう。そうすると、やる気満々で座っているであろう前方はしばらく措くとして、「密度の高い中央」と「密度の低い後方」の偏差がどうなっているのかが気になる。
定員298人の教室ということは各部分の座席数はおよそ100席。中央は8割以上の埋まり具合、後方は3割弱しか埋まっていないということになる。この密度の差が授業に対する印象、あるいは成績に影響している可能性は高いと思うのだが。
講義に対する姿勢は必ずしも講師との距離関係のみに影響されるのではなく、学生自身が醸成する雰囲気とも関係してくるハズ。サッカーの試合でも、同じ観客数なら狭いスタジアムでやった方が絶対に盛り上がる。このへんが解るともっと面白いのに。