セリエA暴動、死亡警官を逆恨み?(日刊スポーツ)

 セリエAを無期限停止に追い込んだカターニャパレルモ戦の暴動事件で、死亡した警官のフリッポ・ラチーティさん(享年38)が過激派サポーター「ウルトラ」から逆恨みされて狙われた可能性が浮上した。4日付の伊紙ガゼッタ・デロ・スポルトによると、ラチーティさんは昨年9月のカターニャメッシーナ戦の暴動の後、裁判で暴動にかかわった人物を特定。その際にサポーターから「覚えてろ」と脅迫されていた。

 事件当日は、逮捕したサポーターを同僚が連行しているスキに爆発物をぶつけられたという。「最初からウルトラに狙われていた」と同僚は話している。また一部には、地元の不良グループが試合を警察襲撃の隠れみのとして使っていたとの説も上がっている。

 同国協会と五輪委員会は臨時会議を1日前倒しして4日に開催。安全基準を満たしていないスタジアムの改修を来季開幕までに求めることを確認。もしクラブ側が従わない場合は、ホーム戦を没収し中立地開催か無観客試合とするという。

 ただ現在トリノ、ローマ、パレルモジェノバの4スタジアムしか基準を満たしておらず、大幅な改修が必要となると、多くのクラブが試合を開催できなくなる恐れがある。しかし5日の政府トップとの会談を前に、安全確保への断固たる姿勢を見せた形だ。