クラブW杯

岩本輝雄選手(今は所属チームがないが敢えてこう呼ぶ)についてこんなニュースが流れてきました。

 12月に日本で開催されるサッカーのクラブワールドカップ(W杯)に出場するオークランド・シティーニュージーランド)に元日本代表MFの岩本輝雄(34)が加入する可能性があることが16日、分かった。同日、日本サッカー協会川淵三郎会長が「あくまで岩本とオークランドとの話だが、本人は乗り気みたいだ」と語った。
 岩本はJリーグの平塚(現湘南)、仙台などで活躍し、2005年2月に名古屋を退団。現在は所属クラブはない。クラブW杯では昨年、元日本代表FWの三浦知良(横浜C)がシドニーFCの一員としてプレーした。

以前にも福岡入りが報じられた(どうやらガセだったようですが)彼ですが、もし加入が決まればそれはそれで喜ばしいことだと思います。
一方で、「クラブW杯の客寄せパンダとしての加入なのではないか」といった見方をする人もいるみたいです。裏にどんな事情があるかなんて分かりませんが、そういう意味合いがこの移籍にないとは言い切れないでしょう。本人は純粋にサッカーがしたいだけなのに、そういう思惑が働いているとしたら残念です。でもそれもサッカー。プレーできるならば存分に柄等を出し切って欲しいと思います。


しかし、それにもまして残念なのは「こんな話題が先行するほどに大会のステータスが低い」ということです。この大会には様々な問題があって、過密日程の中来日する欧州代表のコンディション、参加チームのレベル格差などが理由で、「真の世界一を決める大会ではない」との声が大勢を占めているのではないでしょうか。私もその点は否定しません。それはそれで今後改善されていくことを期待します。
が、そのような問題を差し引いても「世界のサッカーを日本で、生で見る」貴重な機会であることは間違いありません。
ここで言う「世界のサッカー」とは何も欧州・南米だけを指しているのではありません。アジア・北中米などのサッカーなんてそうそう見られるものじゃありません。欧州よりレベルは低いでしょうが、「そのアジアですらJのチームは勝てていない」ということに思いを致すと、この大会の意義というものも見えてくるのではないでしょうか。
欧州のサッカーを簡単に視聴できるようになった昨今、私も含めて日本人はどうも背伸びをし過ぎている気がしてなりません*1。上を見るのも結構、でもそれに加えて自分の周りや自分自身を見つめることも大事なんじゃないかなぁ。


私のサッカー仲間が生前の富樫洋一さんを見かけたときに、彼はものすごく年季の入ったトヨタカップのコートを着ていたんだそうです。彼ぐらいの世代にとっては、世界のサッカーを日本で見ることは、それはそれは素晴らしい体験だったことでしょう。その大会が徐々にステータスを落としつつあることが残念である一方で、いろんな種類のサッカーが見られる「新たな楽しみ」を利用しない手はない、とも思うわけです。羨ましいぞ関東圏w

*1:ま、この「背伸び癖」は何もサッカーに限ったことではないのですが。