五木寛之『風に吹かれて』
風に吹かれて (角川文庫―五木寛之自選文庫 エッセイシリーズ)
- 作者: 五木寛之
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1994/12
- メディア: 文庫
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「私はやはり基地を失ったジェット機でありたいと思う。港を持たぬヨット、故郷を失った根なし草でありたいと感じる」
時代の風のなかにこそ青春があり、暮らしがあり、夢がある。風に吹かれて漂いつづける日々を、ホロ苦さを隠し味にしたユーモアとペーソスあふれる文章で綴る第一エッセイ。(裏表紙より)
子供の頃の思い出や、大学時代の体験、作家になってからの日々などを綴ったエッセイ集。朝鮮半島からの引き揚げ者であるということから日本での生活に「異邦人」としての感覚が常につきまとったと言う筆者の、日常における「漂いっぷり」が、いかにも自然体で好感が持てます。ただ、その好感は逆に言うと自分にはできないだろうな、という感覚の裏返しでもあり…
語るべき青春の思い出って…あんまりないな。