小島毅『近代日本の陽明学』

近代日本の陽明学 (講談社選書メチエ)

近代日本の陽明学 (講談社選書メチエ)

というわけでしばらくぶりにメチエ。筆者の最近の仕事ぶりからいつ出るかと期待していた「近代日本思想史解釈」。今日明日で読もう。
【追記】
2006-08-13読了。
靖国問題に代表される日本人の心性の源流に陽明学を見据え、大塩中斎(平八郎)から三島由紀夫まで、陽明学と水戸学の関わり・変容を論じた書。世直し・革命論・西洋思想受容の素地・「日本古来の」武士道への肉付け…。江戸末期から昭和まで、様々な形で表れる日本陽明学の展開を、主要な思想家の列伝を基軸に述べる。
細部で「蒙を啓かれた」*1ところは多々あれど、自分自身の勉強不足のため十分に消化しきれていないというのが正直なところです。ただ、自主自律の精神=武士道(≒陽明学的心性)を顕彰するとともに水戸学(≒朱子学)的大義名分論で国家(≒天皇)への忠誠を強要することで近代日本が陥った暗い穴に、「もうすぐ辞めるのにイタチの最後っ屁のように15日参拝をするであろう困った国家元首」のせいで再び陥るのはゴメンです。

*1:最近テレビでよく目にする六占星術師の女のこと、はどうでもいいとして。