土肥恒之『ロシア・ロマノフ王朝の大地』

ロシア・ロマノフ王朝の大地 (興亡の世界史)

ロシア・ロマノフ王朝の大地 (興亡の世界史)

読了。非常に手堅い書き方の概説書、という印象です。このシリーズの既刊分にはかなり大胆な構成を取るものもあっただけになおさら。社会主義革命とソヴィエト連邦の登場をあくまでロマノフ王朝の延長として捉える視点は、現在のロシアを考える上でも大事だと思います*1
ただ、「タタールのくびき」については、伝統的な理解を踏襲している感が強く、このへんは最近出たさる御仁の御著書を読んで考えてみようかなと思っています。

*1:その意味で月報のいしいひさいちの漫画は、久しぶりにまともなもので良かった。